MM2Hの最新条件2026
プラチナ/ゴールド/シルバー
徹底比較
ネット上の MM2H 情報は改定前の数値だらけ。この記事は MM2H の条件(定期預金・不動産・年齢・滞在義務)を2026年時点の政府公式要件で裏取りし、シルバー/ゴールド/プラチナ/SEZ の4ティアを1つの表で比較。費用の実額から解約時の出口まで分かります。
MM2Hとは — 2024年大改定で何が変わったか
MM2H(Malaysia My Second Home)は、マレーシア政府が外国人向けに提供する長期滞在プログラムです。取得すると数年〜20年単位の滞在パスとマルチエントリービザ(MEV)が発給され、家族の帯同や子どもの就学が認められます。
ただし MM2H はこの数年で条件が二転三転してきた制度でもあります。2021年に一度大幅に厳格化され(定期預金 RM100万・月収 RM4万など)、その後 2024年6月に現在の「ティア制」へ全面改定されました。
「定期預金 RM100万」「月収 RM4万」は2021年版、「30歳以上」「年間60日滞在」は2023年末の発表段階の情報です。本記事の数値は2026年時点の MOTAC 公式サイト(mm2h.gov.my)の掲載要件に基づいています。
現行制度を一言でいうと
資産額に応じた4つのティア(Silver / Gold / Platinum / SEZ)から選ぶ方式。月収要件は廃止され、「定期預金 + 不動産購入」が審査の柱になりました。
ティア徹底比較 — シルバー/ゴールド/プラチナ + SEZ
現行 MM2H は3つの基本ティアに加え、ジョホール州の特別経済区に限定した SEZ/SFZ という低予算の第4カテゴリがあります。まず全体を1つの表で比較します。
| 項目 | シルバー | ゴールド | プラチナ | SEZ/SFZ |
|---|---|---|---|---|
| 定期預金(FD) | USD 15万約2,400万円 | USD 50万約8,000万円 | USD 100万約1.6億円 | USD 6.5万(21〜49歳) USD 3.2万(50歳〜)約510〜1,040万円 |
| 参加費(一括) | RM 1,000 | RM 3,000 | RM 200,000 | RM 1,000 |
| 不動産購入 | 必須RM 60万以上 | 必須RM 100万以上 | 必須RM 200万以上 | 必須Forest City 限定 |
| パス有効期間 | 5年 | 15年 | 20年 | 10年 |
| 最低年齢 | 25歳 | 25歳 | 25歳 | 21歳 |
| 就労・事業 | 不可 | 不可 | 可 | 不可 |
| FD の一部引き出し | 最大50% | 最大50% | 最大50% | 最大50% |
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出典: MOTAC 公式サイトの各ティア要件(Silver / Gold / Platinum / SEZ)および 申請ガイドライン(2026年時点)。
円換算は概算です(1USD=160円、1RM=40円で計算。為替により大きく変動します)。定期預金はマレーシアの金融サービス法に基づく認可金融機関に預け入れます。
全ティア共通の条件 — 年齢・滞在義務・家族
滞在義務の年間累計90日は50歳未満の参加者に課されますが、25〜49歳は本人または扶養家族の滞在で充足できます。たとえば子どもがマレーシアの学校に通っていれば、その滞在日数でカウントできるということです。
帯同できる扶養家族の範囲は次の通りです。
- ✓ 配偶者
- ✓ 21歳未満の子(実子・継子・養子)。21〜34歳は未婚・無職であれば可
- ✓ 障害のある子(年齢制限なし・医師の証明が必要)
- ✓ 両親・義父母
- ✓ 外国人メイド(プラチナのみ)
子どもは政府認可の教育機関に高等教育まで就学でき、既存の MM2H パスのまま通うか、Student Pass の自動付与を受けられます。また承認後は本人・扶養家族とも MOTAC 指定の医療機関での健康診断が必須です。加えて60歳未満はマレーシア国内の医療保険への加入が必須で、日本など国外の保険は認められません(60歳以上は保険加入が免除されます)。
実際いくらかかる? — 費用と引き出しルール
MM2H の本体コストは「定期預金 + 不動産購入」ですが、どちらも支出ではなく資産の置き場所が変わるだけという点が他国の投資ビザと異なります。純粋な費用として消えるのは次の項目です。
参加費(政府・一括)
シルバー/SEZ: RM1,000、ゴールド: RM3,000、プラチナ: RM200,000。
認可エージェント費用
申請は MOTAC 認可事業者経由が必須。代行費は数十万〜百万円台と事業者差が大きい。
健康診断・保険・書類
指定機関での健康診断、無犯罪証明の取得・翻訳などの実費。
不動産の取得コスト
物件価格に加え、印紙税・弁護士費用など。10年間は売却できない点に注意。
不動産にはもう一つ注意があります。外国人の不動産購入には州ごとの最低価格規制があり、クアラルンプールは RM100万、セランゴール州は RM200万、ペナン州は島内 RM200万(本土 RM100万)が目安です。MM2H の下限(シルバー RM60万)より州の規制が高い場合は、実質その州価格が下限になります。州によっては MM2H 保有者への優遇もあるため、物件のある州の規制を購入前に必ず確認してください。
定期預金は承認後、住宅購入・教育・医療・観光の用途に限り最大50%まで引き出せます。つまりシルバーなら USD 7.5万相当を住宅や学費に回せる設計です。残りはパス保有中ロックされるため、マレーシアの定期預金金利がそのまま運用利回りになります。金利水準は マレーシア銀行の定期預金金利比較 を参照してください。なお公式要件では、国外からマレーシアへ持ち込む資金は非課税とされています(税務の最終判断は専門家に確認してください)。
要件は USD/RM 建てなので、円安が進むほど必要な円資産は膨らみます。預け入れの送金コストも馬鹿にならないため、海外送金の手数料比較と現地口座開設の手順を先に押さえておくのがおすすめです。
S-MM2H(サラワク州)という選択肢
連邦版の資産要件が重いと感じたら、ボルネオ島サラワク州が独自に運営する S-MM2H があります。州公式ガイドと2025年1月改定の発表に基づく主な違いは次の通りです。
連邦 MM2H と S-MM2H の違い
- 定期預金: USD 15万(約2,400万円)
- 不動産購入: 必須(RM 60万以上)
- 滞在義務: 90日/年(50歳未満)
- 全国どこでも居住可
- 定期預金: RM50万(約2,000万円)一律
- 不動産購入: 義務なし(賃貸のままで維持可)
- 滞在義務: 州内30日/年
- 加えて月収 RM1万(夫婦 RM1.5万)or 相当の流動資産の証明
- 州内の保険会社での医療保険加入が義務
- 最低年齢: 30歳
※S-MM2H は10年パス(5年後に延長手続き)。サラワク州での生活が前提で、KL 等の西マレーシア定住には使えません
出典: サラワク州公式申請ガイドおよび2025年1月改定の州発表(詳細は州公式 mtcp.sarawak.gov.my)
改定前の州公式ガイド(2024年9月版)には、「18歳未満の子どもがサラワク州内で就学している場合は30〜49歳でも申請可能」という規定が明記されていました。2025年改定後もこのルートが残っているかは公式に確認できていないため、該当する家庭は認可代理店に最新の扱いを確認する価値があります。クチンのインター校は学費が KL より抑えめで、教育移住の隠れた選択肢です。
S-MM2H は2025年1月1日に条件が大きく改定され、定期預金の要件が RM15万〜30万から RM50万(一律)に引き上げられました。ネット上には改定前の「預金 RM15万」の情報が今も多く残っています。上の数値は改定後の条件ですが、申請前に必ず州公式・認可代理店で最新版を確認してください。
教育移住なら MM2H は必須ではない
「子どもをマレーシアの学校に入れたい」だけなら、実は MM2H を取る必要はありません。子どもが Student Pass(学生ビザ)を取り、親がガーディアンビザで帯同するのが最も一般的なルートで、まとまった資産要件はありません。
| 目的・状況 | 向いている選択肢 | 資産・収入の要件 |
|---|---|---|
| 子の就学が主目的母子留学・数年単位 | Student Pass + ガーディアンビザ | まとまった預金要件なし学費・生活費の資金計画は必要 |
| 家族全員で長期定住10年以上・資産に余裕 | MM2H(ゴールド以上) | USD 50万〜の定期預金 + 不動産 |
| リタイアメント・拠点づくり | MM2H(シルバー)/ S-MM2H | MM2H シルバー: USD 15万〜 S-MM2H: RM 50万〜 |
| 現地で働く・事業をする | 就労ビザ(EP)/ MM2H プラチナ | 雇用契約 or USD 100万 |
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MM2H が教育移住で効いてくるのは、「ビザ更新の手間を10年単位でなくしたい」「子の卒業後も夫婦で住み続けたい」「資産の置き場所としてマレーシアの定期預金・不動産を使いたい」という場合です。学費と MM2H の資産要件は別枠で必要になるため、インター校の学費(年間 RM3万〜10万超)と合わせた資金計画を先に立てることをおすすめします。学校選びはインターナショナルスクール比較から探せます。
申請の流れと注意点
連邦 MM2H の申請は、MOTAC 認可の MM2H 事業者(ツアーオペレーター)経由が必須です。個人での直接申請はできません。申請はワンストップセンター(OSC MM2H)で処理され、最終承認は内務省・入国管理局が行います。
ティアの選定と資金計画
家族構成・滞在年数・予算からティアを決める。円資産の場合は為替も織り込む。
認可エージェントの選定
MOTAC 認可リストに載っている事業者かを必ず確認。代行費・サポート範囲は事業者によって差が大きい。
書類準備と申請
パスポート認証コピー、無犯罪証明(英訳)、資産証明など。OSC MM2H 経由で審査へ。承認までは一般に数ヶ月単位を見込む。
条件付き承認 → 渡航して手続き
承認後に定期預金の預け入れ、指定機関での健康診断、パス発給。
不動産購入(承認後)
ティア別の最低価格以上の住宅を購入。10年間の売却制限付き(上位物件への買い替えは可)。
却下・つまずきの典型パターン
途中でやめたら? — 解約・出口の手続き
意外と誰も書きませんが、MM2H はやめるときの手続きまで決まっている制度です。S-MM2H の公式ガイドでは、プログラム終了は次の2段階です。
入国管理局でプログラム終了手続き
終了意思表示書・パスポート原本・片道航空券を提示してパスを取り消す。
定期預金の解約申請
終了文書・承認書コピー・預金明細などを担当省庁に提出し、FD のロックを解除して全額を引き出す。
つまり定期預金は解約すれば戻ってくる資産です。一方で不動産は10年間の売却制限があるため、途中でやめる場合も物件は持ち続けるか、制限明けを待つことになります。「出口で何が返ってきて、何が残るか」を入口の段階で把握しておくと、ティア選びの判断が変わります。
よくある質問
収入要件はなくなったのですか?
MM2H で働くことはできますか?
更新は自分でできますか?
資金が足りない場合の選択肢は?
2024年より前に MM2H を取った人はどうなりますか?
まとめ — どのティアを選ぶべきか
家族構成・目的別の早見
- ✓ リタイアメント・セカンドホーム → シルバー(USD 15万 + RM60万の住宅)
- ✓ 家族で10年以上の長期定住 → ゴールド(15年パスで更新の手間が激減)
- ✓ 現地で働く・事業もしたい → プラチナ一択(就労可は唯一)
- ✓ 予算を抑えたい・ジョホール拠点 → SEZ/SFZ(Forest City 限定に注意)
- ✓ 資産要件なしで子の教育を優先 → Student Pass + ガーディアンビザ
MM2H は「資産の置き場所をマレーシアに移す」制度です。数値要件は今後も改定される可能性があるため、最終判断の前に必ず MOTAC 公式サイト(S-MM2H はサラワク州公式)で最新の要件を確認してください。
ひとことでまとめると
💡 公式の確定値で比べれば、MM2H は「怖い制度」ではなく「設計できる制度」。
教育移住が目的なら、まず学校選びから逆算するのが近道です。
